『マインドフルネスストレス低減法』

J. カバットジン(著)・春木豊(訳)『マインドフルネスストレス低減法』(2007年、北大路書房)

提唱者であるジョン・カバットジン自身による、マインドフルネスストレス低減法の解説書。
完全に一般向けに書かれており、実に読みやすく分かりやすい内容である。
内容はかなり濃く、単なる健康法ではなく、生き方について多くの示唆を与えてくれる。

前半部分は瞑想法の実践についての解説であり、後半部分はストレスや病気への接し方についての解説となっている。
長い本ではあるが、掲載されている瞑想法はシンプルで数が少なく、取り組みやすい。
座禅を組んだりする必要はなく、椅子に座ったり横になったりしてできる。
そもそも痛みに苦しんでいる人向けのものであり、身体に負担がかからないように作られている。
8週間のプログラムの進め方について具体的に解説されているので、迷ったりせずに取り組んでいくことができる。

僕はこれまで瞑想について全く知らなかったので、この本は実に勉強になった。
注意を集中して現在の心と体を観察するというのは、これまでしたことがない頭の使い方で新鮮である。
瞑想法というのはもっと難しいものだと思っていたが、この本の内容ならとてもやりやすく、続けていけそうだと思った。

ある要素をキープし、ある要素を変化させる

音楽において、「ある要素をキープし、ある要素を変化させる」ことは、とても有効でよく用いられる手法です。
この手法を用いることにより、キープと変化という複数の要素を含む複合的な曲にすることができます。
そのような曲は、キープと変化が互いを際立たせる有機的なものになります。
キープによって変化が明確になり、変化によってキープが明確になります。

「ある要素をキープし、ある要素を変化させる」手法の一つの例として、ペダル・ポイントが挙げられます。
ペダル・ポイントは、「コード進行を変化させつつ、特定の音(ベース音など)をキープする」という形で使われる、一般的な編曲テクニックです。
例えば、コードが|C|G/B|Am|G|と進行する中で、高音のG音のストリングスを伸ばしっぱなしにするようなことがそれに当たります。

「ある要素をキープし、ある要素を変化させる」ことと対極をなすのは、キープか変化のいずれかしか含まないようにするやり方です。
例えば、複数のパートをユニゾンでそろえるような手法がそれに当たります。
これもまた音楽の定番です。
「キープと変化の両方を含む」ようにするか、「キープか変化のどちらか一方だけ」にするかは、曲でどのようなことを表現したいのかに応じて柔軟に判断されるべきことです。

「ある要素をキープし、ある要素を変化させると、有機的な音楽になる」という理論は、たいへん抽象的であるがゆえに、様々な形で具体化することができます。
今後の記事では、僕の曲を参照しながら、そのような具体化の例について述べていこうと思います。
この記事はその前置きでした……。

『ストレス・マネジメント入門 自己診断と対処法を学ぶ [第2版]』

中野敬子『ストレス・マネジメント入門 自己診断と対処法を学ぶ [第2版]』(2016年、金剛出版)

ストレスについての一般的な解説から始まり、どういう特性を持った人がストレスに強いのかについての解説、自己診断のための質問票、各種のストレス対処法がまとめられている。
ストレスについて総合的な理解を得ることができる点でとても価値がある。
自分でできる診断法・対処法が載っていおり、実践的な内容である。
とりわけ、診断の結果に応じてどのストレス対処法を用いればよいのかが指示されているのは分かりやすい。

実証研究に基づく記述には信頼感がある。
著者は精力的に活動している研究者のようで、参照している文献も自身の論文が多い。

どういう人がストレスに強いのかということについては常識的に何となく分かっていることではあるけど、いろいろな研究で示されている知見を知ることができてよかった。
読んでて「あ、自分やばいかも」と思ったところが多かった。
自分について振り返る良い機会になった。

ライトな心理関連の本とはかなり性質が違い、読むのに骨が折れるのは確かである。
質問票を載せているためか、本が大きくて持ち運びに適さない。
この本は、腰を据えてじっくり取り組みたい人向けである。
一生に一度読んでおくと、生きていく上でかなり役立つ本だと思う。
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aupara7@gmail.com