音楽において、「ある要素をキープし、ある要素を変化させる」ことは、とても有効でよく用いられる手法です。
この手法を用いることにより、キープと変化という複数の要素を含む複合的な曲にすることができます。
そのような曲は、キープと変化が互いを際立たせる有機的なものになります。
キープによって変化が明確になり、変化によってキープが明確になります。

「ある要素をキープし、ある要素を変化させる」手法の一つの例として、ペダル・ポイントが挙げられます。
ペダル・ポイントは、「コード進行を変化させつつ、特定の音(ベース音など)をキープする」という形で使われる、一般的な編曲テクニックです。
例えば、コードが|C|G/B|Am|G|と進行する中で、高音のG音のストリングスを伸ばしっぱなしにするようなことがそれに当たります。

「ある要素をキープし、ある要素を変化させる」ことと対極をなすのは、キープか変化のいずれかしか含まないようにするやり方です。
例えば、複数のパートをユニゾンでそろえるような手法がそれに当たります。
これもまた音楽の定番です。
「キープと変化の両方を含む」ようにするか、「キープか変化のどちらか一方だけ」にするかは、曲でどのようなことを表現したいのかに応じて柔軟に判断されるべきことです。

「ある要素をキープし、ある要素を変化させると、有機的な音楽になる」という理論は、たいへん抽象的であるがゆえに、様々な形で具体化することができます。
今後の記事では、僕の曲を参照しながら、そのような具体化の例について述べていこうと思います。
この記事はその前置きでした……。